「まんが日本の歴史」の平賀源内が割とヤバいぜ

 最近「まんがで分かる歴史」的な本をアホみたいに読んでる。今読んでるのは小学館が出してる『少年少女日本の歴史シリーズ』ってやつで、その14巻、「蘭学と国学」って章が面白かった。

 章題どおり、江戸時代半ばの学者がメインで取り上げられてる。杉田玄白とか本居宣長とか。

f:id:chu-bachi:20210428174904j:plain

 で、その中のひとりが平賀源内で、そんで、いろいろやってる。オランダ語を勉強したり植物について調べたり芸術家の仲介めいたことをしたり自分も浄瑠璃の台本を書いたり絵を描いたり「エレキテル」って機械を作ったり、万能って感じで立ちまわってる。

f:id:chu-bachi:20210428175125j:plain

f:id:chu-bachi:20210428175213j:plain

f:id:chu-bachi:20210428175217j:plain

 

だけど最後、こうなる。

f:id:chu-bachi:20210428175220j:plain

f:id:chu-bachi:20210428175149j:plain

 この手の本にしては結構尖った、いまどきのプロットだな、と思ってちょっとビビった。――でもその展開が別に取って付けたって感じじゃなくて、むしろちゃんとマッチしてる。日本史の「単語」としての平賀源内、その名前ぐらいはみんな知ってるけど、でも具体的に何かをやった、成し遂げたってイメージはまったくない。「なんか発明家的なヤツで、なんかエレキテルがどうとかあれこれやってて、けど結局モノにならなかった、今の俺たちに繋がらないヤツだろ?」みたいな、そういう漠とした印象をピタリとこの漫画は表わしてる。未来に繋がるモノを残せなかったくせに歴史上の人物として名前だけは残っちまった、「登録」されちまった、みたいな、その切なさ、みたいな。そうやって「登録」されたからこそこういう学習まんがなんかにも登場させられて、杉田玄白とかの引き立て役に使われて、あぁ、まぁ、なかなかの無間地獄ですな、みたいな。

 

 将来的に歴史の「再評価」とか「再解釈」がされて、実は源内くんのエレキテルは現代の電気文明、エネルギーマシンの先駆者、再生可能エネルギーの起源だったみたいなことになって、一躍源内くんは「偉人」として将来の「まんが日本の歴史」とかで主役を務めるような身分になって、いやでも、まぁそれはそれでだるいだろうよって気がしなくもない。ほんと疲れたよ、これぐらいにしようぜ、みたいな。

 

P.S.

 個人的なお気に入りは集英社版『世界の歴史』の14巻、ヘンリー=フォードの章。奥さんとのやり取りがラブコメ感あってかわいい。萌える。推せる…。

f:id:chu-bachi:20210428175200j:plain

f:id:chu-bachi:20210428175203j:plain

f:id:chu-bachi:20210428175155j:plain

f:id:chu-bachi:20210428175152j:plain